Q18 二段積み擁壁の土圧計算について

(1)土圧計算式について
 二段積み擁壁の土圧算定式が,「擁壁Q&A選集」(p34)では式(1)のように,「続・擁壁の設計法と計算例」(p46)では式(2)となっていますが,正しくは式(3)となるのではないでしょうか.
 擁壁Q&A選集 式 (1)  

 続・擁壁の設計法と計算例  式 (2)


 正しい式 式 (3)


(2)上段擁壁からの水平地盤反力について
 下段擁壁の主働すべり面が上段擁壁の底面内に入る場合(擁壁Q&Aの図3.14(c)),下段擁壁の主働土圧に関与する上段擁壁の鉛直地盤反力QVは,
   QV=上段擁壁の総鉛直荷重×de区間の台形面積/df区間の台形面積
で算定してよいと思うのですが,水平地盤反力QHについては,
   QH=上段擁壁の総水平荷重×de区間の台形面積/df区間の台形面積
   QH=上段擁壁の総水平荷重×de区間の距離/df区間の距離
   QH=上段擁壁の総水平荷重
のいずれで算定すべきでしょうか.


回答
(1)土圧計算式について
 ご指摘の通りです.「擁壁Q&A選集」,「続・擁壁の設計法と計算例」ともに記述が誤っていました.

(2)上段擁壁からの水平地盤反力について
 擁壁に自重,土圧の荷重が作用すれば,擁壁は図1(a)のように剛体的に変位します.つま先での水平変位をu,鉛直変位をv,回転角をθとすると,つま先からxの距離にある任意点の変位は,
  水平変位 ,

  鉛直変位

 地盤の鉛直地盤反力係数をkV,水平地盤反力係数をkHとすると,任意点の地盤反力度は次のようになります.
   鉛直地盤反力度   式(1)
 
   水平地盤反力度  式 (2)

 式(1)から明らかなように鉛直地盤反力qvx,はつま先からの距離xの一次関数となることがわかります.これに対して水平地盤反力度qhxは,距離に関係なく一定となります.  
 次に,擁壁に作用する荷重によるつま先位置でのみ水平力をH0,鉛直力をV0,モーメントをM0とし,水平方向と鉛直方向の力の釣り合い条件式とモーメントの釣り合い条件式をたてると
式(3)

式(4)

式(5)
   


                                図1    


 式(3)〜式(5)を連立させて解けば,つま先位置での変位が式(6)のように求まります.
式(6)

 式(6)を式(1)と式(2)に代入すると

 鉛直地盤反力度      式 (7) 

 水平地盤反力度    式(8)

 ここで,x=0の鉛直地盤反力度をqv1とすると,   式(9) 

 下段擁壁の主働すべり面が,上段擁壁のつま先からxの位置に当たるとすれば,下段擁壁に伝達される地盤反力は
 鉛直地盤反力度      式(10) 

 水平地盤反力度   式 (11) 

となります.したがって,主働土圧に関与する上段擁壁の地盤反力は,
     QV=上段擁壁の総鉛直荷重×de区間の台形面積/df区間の台形面積
     QH=上段擁壁の総水平荷重×de区間の距離/df区間の距離
で求められることになります.

Q&Aコーナー