Q16 急傾斜地重力式擁壁の置き換え厚さについて
下図に示すように急傾斜地で重力式擁壁(最大地盤反力度60kN/m2)を計画しています.擁壁設計Q&Aの式(3.49)で置き換え厚さを算定すると20〜30cmとなりました。この厚さでは少し不安を感じるのですが,そのまま用いても良いでしょうか。
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回答
図面を見た感じでは良質土による置き換えは不要と考えられますので,以下,簡単に許容支持度を計算してみます.
N値しか土質情報がありませんので,道路橋示方書W下部構造編p236を適用し,N値から粘着力cを推定することにします.
なお,N値が深度方向に増加しているので,支持力度算定には底版幅Bの0.5倍の深さ(z=1.1m)
のN値5を採用します.
粘着力c=(6〜10)N=(6〜10)×5=30〜50(kN/m2)
推定値の中間値を採用するとc=40kN/m2.また,有効根入れ深さはDf=0.8m,地盤の単位体積重量はγ=18kN/m3と仮定すれば,
粘性土地盤の極限支持力度qdは
qd=cNc+γDfNq=40×5.14+18×0.8×1.0=220(kN/m2)
ここに,Nc,Nqは支持力係数.φ=0の場合はNc=(2+π)=5.14,Nq=1.0
許容支持力度qaは
qa=qd/3=73(kN/m2)>qmax=60(kN/m2) O.K.
良質度で置き換えをする必要はないという計算結果となります.けれども,支持層が粘性土であれば施工時の乱れにより強度低下を生じ,擁壁が傾斜する恐れがありますので,基礎底面には30cmの切り込み砕石を敷くのが良いと考えられます.
良質土による置き換え厚えが計算上必要な場合,その最小値は一般に50cm程度としています.
なお,読者からの指摘により,フローティング方式置き換え基礎の支持力算定式をチェックしたところ,誤りがありました.正しい式を著者正誤表に示していますので修正をお願いします.