Q154 歩道と車道が区分された道路における載荷重の考え方
下図のように、ブロック積み擁壁の背面に歩道部と車道部がある場合,安定計算において自動車荷重の影響はどのように考えるべきでしょうか。![]() |
回答
(1)地表面載荷重の大きさ
道路橋示方書では,橋梁設計に用いる活荷重として車道部にはL荷重もしくはT荷重を,歩道部には群集荷重を作用させることになっていますが,盛土部においては車道部にq=10kN/m2の等分布荷重を載荷させることになっています。
これは,元々は,自動車の総荷重20tfを車両占有面積(7m×2.75m)で割ると1.04t/m2になることから,橋台の土圧算定用の地表載荷重をq=1tf/m2としていました。T-14tf自動車荷重の場合もq=1tf/m2の値を用いることになっていました。T-14tf車はT-20tf車に比べて車両の総重量は小さいのですが,占有面積が小さくなり換算等分布荷重の値があまり変わらないためと思われます。
その後,橋梁設計に用いる自動車荷重は245kN(25tf)に変更されました。荷重は増えても車両占有面積がT-20tf車より大きくなるため換算等分布荷重は10kN/m2より若干小さくなります。従来と同様にq=10kN/m2の値が用いられているのは,設計の安全側を考えてのことだと思われます。
擁壁設計に用いる活荷重については,道路土工−擁壁工指針に規定されており,自動車の種類に関係なく車道部にはq=10kN/m2を載荷させることになっています。これは道路橋示方書に準じているものと思われます。
盛土の歩道部に載荷させる載荷重については道路橋示方書,擁壁工指針いずれにも示されていません。擁壁背後が歩道の場合には,土圧計算に載荷重を考慮しなくてもよいと言うことだと思われます。しかし,国土交通省の標準設計図集では,側溝の計算をする際にする場合に,群集荷重としてq=3.5N/m2が考慮されています。また,四国地方整備局の歩道部の擁壁設計にはq=3.5kN/m2の群集荷重を考慮することになっています。この値は,道路橋の主桁の設計に用いる群集荷重に相当します。
以上のことから,擁壁においては,車道部にq=10kN/m2,歩道部にq=3.5kN/m2の活荷重を載荷させて土圧計算をするのが無難と思われます。
(2)土圧計算の方法
土圧は,すべり面が歩道内部にあるか,車道内に入るかによって区別し,下記の方法で計算できます。

(3)ご質問の擁壁の場合
ご質問の擁壁の場合には,下図のようになり,主働すべり面が歩道内に入りますので,車道部の活荷重の影響は受けません。

Q155 大型ブロック積み擁壁設計における衝突時土圧と支持力計算について
| 大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアルに関する下記の質問に対しご回答頂ければ幸いです。 (1)衝突時の土圧の考え方について 2.3.1剛体的安定性照査の基本(P18)では衝突時の荷重の組み合せは下記のようになっています。 衝突時:自重+自動車又は落石衝突荷重 しかし、設計計算例では自動車衝突時に主働土圧を考慮しています(P62、P65)。衝突時には、土圧を考慮すべきなのか、それともしなくてよいのか。 (2)地盤の極限支持力度 算出式は下記のようになっています。(P34) qd=ακcNc+κqNq+ γ2B'Nγ βが明記されておりませんがいらないのでしょうか。 また、道路橋示方書が平成14年に改訂になり、寸法効果に対する補正係数(Sc、Sq、Sγ)が追加になっていますがその取扱いはどうなるのでしょうか? |
回答
(1)について
マニュアルの2.3.1の枠内(3)の記述は間違っていますので下記のように訂正をお願いいたします。解説文および設計計算例が正しい記述です。
[正] 衝突時:自重+自動車または落石衝突荷重+常時主働土圧
ここで,少し,解説させていただきます。マニュアルに示している衝突荷重の考え方は,道路土工−擁壁工指針に準拠していますが,正確には力あるいはモーメントで安定性を評価するのではなく,作用時間を加味した力積,あるいは角力積で評価すべきです。
衝撃力の作用時間が非常に小さいと,一般の物理の教科書に記述されているように自重や土圧などの非衝撃力は無視しても良いことになります。
重錘衝突実験を行った最近の研究で,落石の衝突時間は0.001s〜0.1sと比較的長いため,非衝撃力も考慮した力積で評価すべきことがわかりました。ただし,土圧に関してはマニュアルの解説文にあるように不明な点があります。
擁壁工指針に示されている自動車衝突荷重の値は,ガードレール支柱の降伏荷重と思われます。静的水平載荷試験を行うと,擁壁工指針に示されている衝突荷重付近で支柱の根元が座屈します。擁壁工指針のように支柱の降伏荷重を静的に作用させて擁壁の安定性を照査するとかなり安全側の設計になるので,将来的には動的応答を考慮した設計法にすべきと思います。
(2)について
道路橋示方書の支持力公式は元々二次元破壊を想定して導かれているため,三次元破壊に対する補正係数としてβが導入されています。ブロック積み擁壁の場合は底面幅が擁壁の延長に比べて小さいため,帯状基礎(二次元的基礎)と見なすことができます。したがって,β=1と考えることができるため,式中にβは用いていません。
ブロック積み擁壁の設計に道路橋示方書の支持力公式を採用するかどうかは設計者が判断すべきことと思います。道路橋示方書式では,粘着力とサーチャージ荷重による支持力には地盤の自重を無視したプラントルとライスナーの支持力解を傾斜荷重に拡張した駒田の式を,地盤の自重による支持力解はソコロフスキーの数値解を用い,それを単純に足し合わせて支持力を求めています。この方法は昭和40年代の始めに駒田らによって提案されたものです。パソコンが普及した現在,このようないい加減な式を用いていることに奇異を感じます。こうしたことから,マニュアルでは,極限解析法に基づいた速度場法で支持力を算定することにしています。
ブロック積み擁壁は,基礎幅が精々1m程度ですので,そのような場合に対しても寸法効果を考える必要があるのかはなはだ疑問です。それよりも,計算に用いるc,φの求め方,評価の仕方が重要であると思います。
Q156 大型ブロック積み擁壁の地盤反力
| 8/29の島根県松江市ホテル穴道湖での右城様の講習をうけさせていただいたのですが、道路土工では荷重の合力がミドルサードより後ろにあっても底版内に納まっていればよいとのことですが、大型ブロック積み擁壁設計施工マニュアルでは荷重の合力が底版より後方に飛び出てしまった場合、どのように地盤支持力を算出すればよいのでしょうか。 |
回答
松江の講演で,私が最も重点をおいて説明させて頂いたのが,もたれ式擁壁の地盤反力の算定法でした。その説明を理解して頂けなかったようで残念です。
ブロック積み擁壁は,プレキャストコンクリートブロックを用いたもたれ式擁壁です。もたれ式擁壁の場合は,地盤反力は底面と壁面に地盤反力が発生し,安定を保ちます。壁面の地盤反力を考慮して計算すれば,荷重の合力が底面のミドルサードから後方へ外れることはありません。底版そのものから合力が外れるということなどあり得ません。
講演の際に,参加者には「大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアル」を配布されたはずです。その中に,地盤反力の計算法,計算例が詳細に書かれています。再度,ご覧になってみて下さい。
Q157 T-14t荷重を使用する場合の自動車衝突荷重
| 道路土工−擁壁工指針では,B種およびC種ガードレールを設置した擁壁では,自動車衝突荷重としてP=30kNを載荷させることになっていますが,これはT-25t車を対象にしていると思われます。T-14t車を対象にする場合には,下記のように衝突荷重を低減させることは可能でしょうか。 P=30×14/25=17KN |
回答

質量m=14tの車両が速度v,衝突角度θ=15゜でC種ガードレールに衝突したとします。このとき,車両のボンネットの変形やガードレールの変形などでエネルギーが消費されます。車両の運動エネルギーからこの消費エネルギーを差し引いたものが数本の支柱に伝達されます。そこで,衝突時のエネルギー損失率をβ,支柱1本に伝達されるエネルギー率をαとすれば,支柱1本に伝達されるエネルギーが式(1)で表されます。αとβの値はよくわかりませんが,α=0.3,β=0.5程度と考えられます。

支柱の荷重変位曲線を図2のような弾塑性とし,支柱の許容変位量をδ=30cmとすると,支柱1本の吸収エネルギーは式(2)で求められます。エネルギー保存則より式(1)と式(2)は等しくなります。したがって,車両の限界衝突速度は式(3)のように求められます。ちなみに,車両の質量がm=25tの場合にはv=30km/hになり,防護柵の設置基準と一致します。

もしも,衝突荷重を17kNにすると,支柱の変形は弾性状態にあるため,支柱1本の吸収エネルギーは式(4)のようになります。式(1)と式(4)より,車両の限界衝突速度は式(5)のように求められます。

人が歩く速さ程度で衝突しない限り支柱に作用する衝突荷重を17kNに抑えることはできません。
ガードレールの場合,エネルギー吸収性能を高めるには支柱を降伏させ,大きく変位させる必要があります。したがって,ご質問のように擁壁に作用させる衝突荷重を車両の質量によって低減することはできないと考えられます。
Q158 土地改良事業の開水路土圧算定における換算載荷重について
| 土地改良事業計画設計基準(農林水産省農村振興局,平成13年)では,開水路背面の台形盛土,自動車荷重,群集荷重等,開水路背面上の等分布荷重に換算して土圧計算するものとしています。 換算等分布荷重qw,等分布換算係数Iwは次式で求めることになっていますが,この式はどのようにして誘導されたのでしょうか。 ![]() |
回答



農林水産省では,水路側壁から後方へ離れて載荷された載荷重や台形盛土荷重を等価な等分布荷重qwに換算し,クーロンの土圧理論で主働土圧を求めるものとしています。
ところで,クーロンの土圧理論は塑性理論に基づいています。これに対して,式(10)は弾性理論により導かれたものです。弾性問題と塑性問題を混用しているところは疑問に感じられます。
Q159 斜面上に造られるL型擁壁の前方余裕幅は
斜面上にL型擁壁を設置する場合,前方余裕幅Sはどの程度確保しておくべきでしょうか。![]() |
回答
地盤支持力は,前方余裕S以外に斜面の傾斜角β,内部摩擦角φ,粘着力c,地盤の単位体積重量γ,荷重の傾斜角θ,基礎の有効幅B'の影響を受けます。これらの条件によってはS=0でも支持力に対して安全な場合もあれば,S=Bを確保しても支持力が不足する場合があります。
図-1は,平坦地盤としてγ=20kN/m2,φ=30゜,c=10kN/m2の条件で荷重の傾斜tanθを変化させてすべり面を描いたものです。荷重の傾斜によってすべり面の形状が随分と異なることが理解されると思います。

図−1平坦地盤のすべり面(γ=20kN/m2,φ=30゜,c=10kN/m2)

図−2斜面上基礎の支持力算定例
支持力に対する照査は,
@平坦地盤と仮定して支持力を算定する。
Aすべり面が斜面に出るようであれば,斜面上の基礎として支持力を算定する。
のが良いと思われます。
なお,支持力の計算法は下記に詳述してありますので参考にしてください。
支持力計算法
また,計算ソフトが必要であれば,下記のHPから入手することができます。
土木設計プラザHP
Q160 ガードレール基礎を設置したブロック積み擁壁の安定計算法
| ブロック積み擁壁の天端にガードレール基礎を設置した場合,自動車衝突時の安定計算法をお教えください。 |
回答
下記のpdfファイルの中の質問22で回答していますのでご覧になってください。
ガードレール基礎設計Q&A
Q161地震時における重力式擁壁の応答
| いつも右城さんの論文等の著書を読ませてもらっており大変勉強になり助かっています。 近年、性能照査型設計が主流になりつつあり、土圧力学はより多様化するものと考察します。 右城博士の「擁壁に作用する地震時主動土圧に関する考察」という論文で、質問があるのですが、重力式擁壁の土圧なしの状態、いわゆる本体のみでの地震時の実験は行っているのしょうか?自重は質量変化しないはずなので固定のエネルギーゲインとして固定要素として反映できないのかなーとふと思いました?自重だけの模型実験等のデーターが見たかったです。 ついでにですか・・・・・・ それと確かに、gal値がでかくなっても、擁壁が壊れなかったのは、土圧が大きく掛かってないことも要因の1つとは思いますが、そもそも物件ごとの壁高と壁厚による構造物自体の実際の揺れの違いが大きいと思われます。現に重力式擁壁は変形しにくいので滑動をしても破壊が少なく、橋梁は滑動が少なくても、梁や柱の部分の座掘が多かったのではないでしょうか?壁高の高い逆T擁壁は壊れたかもしれません。 地上高が高い建物の実際のゆれよりも、低い建物もしくは地下構造物の実際の揺れの方が少ないのがこの世界の常識ですので破壊モード(限界状態)は土圧よりも先に部材自体の降伏がきてしまうのではないでしょうか? これは今後の研究によるものと考察しますが、右城博士はどうおもいますか?それともこの考えかた自体間違っているのでしょうか?今回は重力式擁壁でフラットの場合で限定していましたので限定とすればいいんですけどね・・・・・ |
回答
@振動実験について
「擁壁に作用する地震時主動土圧に関する考察」の中で紹介している重力式擁壁の振動実験は,私が担当して実施したものではなく,国土交通省,東京大学で行われたものです。
私自身は,重力式の振動実験は行っていません。従って,土圧を作用させない場合のデータも持ち合わせていません。
A重力式擁壁の地震時応答について
実験は行っていませんが,土圧が作用しない場合の重力式擁壁の応答解析は簡単にできると思います。応答モードとしては@すべり,A回転,Bすべりを伴った回転運動が考えられますが,地震被害例を見ると支持地盤が良好な平坦地盤では回転運動が卓越しています。滑動しないのは,擁壁が地盤に根入れされていることも大きな要因と考えられます。
擁壁の運動をつま先回りの回転運動だとすると,地震力と自重による擁壁のつま先での角力積(力積によるモーメント)をN,擁壁のつま先に関する慣性モーメントをIとすると,回転角θは次式で与えられます。
![]()
地震波形を考慮して上式で簡単に計算できるのではないかと思われます。
B重力式擁壁の破壊モード
近年,落石防護柵基礎あるいは重力式擁壁に重錘を衝突させる実験は行っています。擁壁の応答は重錘の衝突高さによって異なりますが,破壊するのは転倒です。重力式擁壁は断面剛性が大きいので剛体運動をします。このため,部材が降伏破壊することは考えられません。
下図は落石防護柵および擁壁に重錘を衝突させたときの応答です。いずれもすべりを伴ったロッキング運動をしています。

Q162 土中式ガードレールで背面土質量を確保しなければならない理由
| ガードレールC種をL型擁壁天端に土中式にて設置する場合、擁壁背面より40cm離れたところに設置すれば、「車両用防護柵標準仕様・同解説」にあります必要土量を満たすことになります。用地の制限がなく40cmの位置にガードレールを設置出来るならばプレガードが必要ないことになります。 しかし、40cmでは、衝突時にL型擁壁天端に影響(破損or破壊)がでる心配があるのですが問題ないのでしょうか。 また、「車両用防護柵標準仕様・同解説」にあります必要土量の捉え方は、衝突時に土塊が破壊して衝撃を緩和することを前提としているのでしょうか。 |
回答
車両用防護柵標準仕様・同解説(日本道路協会)のp101に下記の説明がされています。
| A背面土質量の算定 衝突荷重に対する支柱の支持力は,支柱の背面土が反力として抵抗するため,その背面土質量と密接な関係にあることが既往の衝突実験により確認されている。このため,図1.1に示す背面土を考慮して,支柱一本が関与する背面質量を算出し,これにより支柱の支持力を評価する。各仕様に示す支持条件で測定した支柱の極限支持力(路面から荷重作用高さの位置において支柱に水平に加えた荷重と変位の変位曲線から求めた支持力)を参考までに表-1.4に示す。 ![]() |
車両用防護柵標準仕様・同解説の内容は,下記のことを説明しているものと解釈されます。
@ガードレール種別に応じた極限支持力Puを確保する必要がある。
A極限支持力は背面土質量と密接に関係している。
B表1.4に示す背面土質量を確保しておけば,支柱の極限支持力を確保できる。

支柱の極限支持力は根入れ地盤の受働土圧で発揮されるものと思われます。そうしますと,受働土圧は単に背面土の質量だけでなく,土の内部摩擦角や粘着力に依存するはずです。背面土質量が同じでも,上右図に示すようにすべり面の長さが異なれば,粘着力による抵抗が異なり,極限支持力は異なるはずです。したがって,単に背面土質量を確保するだけでよいのか疑問です。
背面土質量の効果としては,衝突時のエネルギー吸収効果もあります。質量mの車両が速度vでガードレールに衝突したとします。衝突に関与する支柱の質量をMとすると,衝突時に下記の式で表されるエネルギーEpが吸収されます。Mが大きいほど吸収されるエネルギーEpが大きくなります。
![]()
車両の運動エネルギーをガードレールで吸収するためには,支柱が下図のように大きく変形する必要があります。車両防護柵の設置基準(日本道路協会)では,車両の最大進入行程を1.1m以下と規定しています。車両進入行程を考慮すると,支柱を擁壁から1.5m程度離しておかないと,擁壁に影響を及ぼすと考えられます。
建設省土木研究所では,補強土(テールアルメ)壁工法の安全性を確認する目的で,ガードレールに質量1tの重錘を衝突させる実験を行っています。これによると,支柱を壁面から1.5m以上離せばスキンエレメントやストリップに対してほとんど影響しないという結果になっています。(補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアル第2回改訂版p73〜p74参照)
以上のことから,背面土質量を確保できる距離だけ壁面から支柱を離しておけば良い,という考えは間違っていると思われます。

ご質問の中で,C種ガードレールの場合,壁面より40cm離せば所定の背面土質量を確保できると言われていますが,40cmでは不足します。
背面土質量は,次式で求めることができます。記号の意味は図-1.1を参照してください。

所定の背面土質量を確保する上で必要な距離を計算した結果は下記の表のようになります。土の密度(単位体積質量)を1.8t/m3とすると,C種の場合0.68m以上壁面から離す必要があります。

Q163 崩積土の堆積勾配の求め方
| 急傾斜地で重力式擁壁を計画しています。その場合,崩積土の堆積勾配を求める必要があるのですが,求め方お教えください。 |
回答
崩積土の堆積勾配を理論的に求めるのは,崩壊した土の運動に関する問題なので,非常に難しいと思います。地形の勾配,凹凸,植生,土層の運動摩擦角,運動時の間隙水圧などが関与してくると考えられます。
地すべりでは,崩壊した土がどこまで到達するかを予測する数値シミュレーション手法が研究されており,これが利用できるかもしれません。しかし,急傾斜擁壁の設計に用いるにはいるには時間と費用がかかり過ぎ実際的とは思えません。
落石対策便覧(日本道路協会)p185に,「計測データによれば,安定した土砂の堆積は水平面から25〜30゜程度であるので,最大でも30゜の土砂を見込んでおけば十分と考えられる」と記述されています。これを参考にされれば良いと思います。
Q164 二段積み擁壁の土圧計算法
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貴著「続・擁壁の設計法と計算例」の中に記述されている2段積み擁壁の土圧計算法は,どこかで研究発表されているのでしょうか。もし研究発表されているようでしたら,論文の入手方法をお教えください。 |
回答
拙著「続・擁壁の設計法と計算例」p237〜238に紹介している土圧計算式は,特に独創性のあるものではありません。単に,すべり土塊のに上部擁壁の地盤反力を取り込んで定式化しているだけです。すべり土塊に作用する力のつり合い条件とすべり面の破壊条件式から簡単に誘導できます。研究論文として発表するほどの価値はないので,学会で口頭発表もしていません。
Q165 切土部擁壁の土圧計算法
| 貴著「続・擁壁の設計法と計算例」の中に記述されている切土部擁壁の土圧計算法についてお教えください。 地山から擁壁かかとからまでの離れdと土圧の関係が楕円関数で近似できると書かれていますが,これに関する研究論文の入手方法をお教えください。 |
回答
続・擁壁の設計法と計算例のp72に記載している参考文献12)が切土部擁壁に関する論文です。地盤工学会四国支部に問い合わせなけれはわかりませんが,多分,論文集の在庫は残されていないと思います。著書のp49-57の内容が論文よりももっと詳細に書いてありますので論文を入手されても役に立つとは思われません。