Q11 基礎コンクリートを考慮したブロック積み擁壁の土圧計算法

 ブロック積み擁壁の安定計算をする時、ある資料では基礎コンの上で検討している場合と、あるメーカーでは基礎材の上で検討しているケースを知りました。実際は基礎コンの上では勾配がついているので、滑動の安全率が非常に高くなります。
 そこでお聞きしたいのは、基礎コンの上での土圧の計算方法と基礎材の上での土圧の計算方法を教えて頂けたらうれしいです。
 また、土圧と浮力の関係がいまひとつ分かりにくいのであわせてご指導頂ければ幸いです。

回答

(1)主働土圧の計算法について
 ブロック積み擁壁の形状は,図1に示すように間知ブロック部と基礎コンクリート部とでは背面の傾斜角が異なり,その境界部で壁面が折れ曲がります.このため,厳密には,壁面の折れ曲がりを考慮した土圧計算法が必要になります.壁面の折れ曲がりを考慮した土圧計算法については,拙著「続・擁壁の設計法と計算例」(p41-45),「新・擁壁の設計法と計算例」(p63-66)に記述してありますので参考にしてください.
 これらの著書とは別に,さらに簡単に近似値を求めるのであれば,図1(a)の方法があります.
@上部(壁高H1)に作用する主働土圧PA1の計算法  壁高H1,壁面傾斜角αとして,クーロンの土圧公式あるいは試行くさび法で計算する.
A下部(壁高H2)に作用する主働土圧PA2の計算法  壁面傾斜角をα=0として,クーロン式で主働土圧係数KA2を算定します.そして,b点およびc点での土圧強度p21=γH1KA2,土圧強度p22=γHKA2を計算し,PA2=1/2(p21+p22)H2として求めます.
 実務上は,図1(b)のようにブロックの壁面を下端まで延長したa'c面を壁面と見なして,クーロン式や試行くさび法で計算するのが普通です.土圧計算に用いる裏込土の土質定数や壁面摩擦角などの精度,土圧理論における便宜的な仮定(例えばすべり面を直線と仮定するなど)を考えた場合,複雑な計算をしても意味がないと思います.


図1 主働土圧計算法

(2)土圧と浮力の関係について
 裏込土に地下水位があるときの土圧計算法については,拙著「新・擁壁の設計法と計算例」(p62-63),「続・擁壁の設計法と計算例」(p58-64),あるいは「擁壁Q&A選集」(p40-41)に詳しく説明してありますので参考にしてください.

(3)安定計算について
 ブロック積み擁壁の安定性は,一般的には,擁壁断面を図1(b)のハッチングした区間の等厚断面と見なし,基礎コンクリートの底面位置で滑動,転倒,地盤支持力について照査すべきです.なお,地盤反力度の計算法は,拙著「新・擁壁の設計法と計算例」(p151-168),「続・擁壁の設計法と計算例」(p132-140),あるいは「擁壁Q&A選集」(p102-104)に詳しく説明してありますので参考にしてください.  ブロックを等厚さと見なさないのであれば,ブロックと基礎コンクリートの境界面,基礎コンクリートの底面の2箇所で安定性を照査する必要があります.

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