| 北海道で建設コンサルタント業務に従事している者です。雑誌「土木技術」に連載されている講座に関する質問です。 61巻10号(2006年10月号に掲載されている「第20−1回 現場発泡ウレタン軽量盛土工法の設計例」に書かれている二層系地盤における杭の水平バネ定数について教えてください。 @ 第1層もしくは第2層のいずれか大きい方のバネを使う。 A 杭長が短くなる方を採用。 と書かれていますが,安全側を考慮した場合,@,Aともに逆を推奨しているように思われます。小さいバネで杭長が長くなる方を採用すべきではないでしょうか。 |
回答
ご指摘頂いたことに関する私の記述内容に間違いはありません。その理由を分かり易く説明させていただきます。
図1に示すようにな二層系地盤があり,表層のa層は土砂,基礎のb層は岩盤であるとします。b層が風化して,図2のように斜面全体がa層だけになった状態,図3のようにa層が無くなってb層のみになった状態を想像してみて下さい。
地盤の水平抵抗が最も大きいのは図1の状態です。したがって,図2の状態と図3の状態のいずれか水平抵抗が大きい状態を採用したとしても,図1の状態よりは水平抵抗が小さいので安全側の設計になります。図2と図3のいずれか水平抵抵抗力が小さい方を採用すると,過小評価になりすぎます。

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| 「新・擁壁の設計法と計算例」の直接基礎の滑動に関する記述(99ページ)で,基礎底面と支持地盤との摩擦角φBあるいは摩擦係数について「支持地盤が土砂の場合φB=φ,ただし、tanφB≦0.6」とあります。これは「道路土工−擁壁工指針」を引用しているものと思われますが,φB=φは「土と基礎の間に割り栗石または砕石を敷く場合」に適用できものなのでしょうか。そう考える根拠は, @道路土工−擁壁工指針の表1-7(p21)に,「土と基礎の間に割り栗石または砕石を敷く場合」 A道路橋示方書下部構造編の表-解10.3.4(p281)に,「土とコンクリート:φB=2φ/3,土とコンクリートの間に栗石を敷く場合:φB=φ」 とする記述があるからです。 土とコンクリートの間に栗石や砕石を敷かない場合には「φB=2φ/3」とすべきだと思うのですが,いかがでしょうか。 擁壁工指針の表1-7に示されているμ=0.6,0.5の値は,栗石または砕石を敷けば常に使ってよいものでしょうか。 擁壁工指針では支持層として,砂質地盤;N値20以上、粘性土地盤;N値10以上を目安 としています。このN値を満足し,かつ栗石を敷く場合にμ=0.6,0.5とすべきなのでしょうか。そう考える根拠は, と推定されるからです。 小規模な重力式擁壁であれば,N値10程度を支持層とすることもありえると思います。その場合には,砂質地盤で砕石を敷いてもμ=0.5を採用すべきでしょうか。N<20の砂質地盤の摩擦係数は,0.6よりも小さい値を用いるべきでしょうか。 |
回答
擁壁工指針や道路橋示方書に示されている滑動の計算に用いる摩擦係数μあるいは摩擦角φBの値は,基礎の滑動に伴ってすべり面が発生する箇所の条件に応じて経験的に定めたものと思われます。
擁壁工指針と道路橋示方書によって値が異なるのは,対象とする構造物の重要性や安全余裕に対する考え方の違いなどもありますが,基準を作成した時期,担当者の違いが大きいと思います。
土とコンクリートの間に砕石を敷くか敷かないかでなく,コンクリートが現場打ちコンクリートかプレキャストコンクリートかによって摩擦係数は異なります。道路橋示方書は現場打ちコンクリートのみを対象にしていますが,擁壁工指針では両者を区別しています。地盤面にコンクリートを直接打設すれば,コンクリートが土砂に付着するため,滑動時のすべり面は「土と土」となります。しかし,プレキャストコンクリートであれば,コンクリートが土砂に付着しないので,すべり面は「土とコンクリート」となります。擁壁工指針では,このような考えに基づいて摩擦係数を定めていると思われます。
地盤が土砂の場合,滑動の計算に用いる摩擦係数の目安は0.5〜0.6ですが,地盤が緩い場合には, N値からφを推定し,摩擦係数を求めるのがよいと思われます。
N値からφを推定する式として,擁壁工指針には,以前の道路橋示方書に掲載されていた式が示されていますが,この式でφを推定すると実際よりも過小になりすぎます。このために道路橋示方書では,拘束圧の影響を考慮した式に変更されています。
実際には,緩い地盤上で滑動現象が発生するか疑問です。直接基礎の安定照査には,滑動,支持力,転倒がありますが,この内の滑動と支持力は地盤のせん断破壊を取り扱った問題です。滑動とは基礎と地盤面との境界面にすべり面が発生する現象であり,支持力はすべり面が地盤内部に発生する現象であると言えます。
地盤が非常に硬い場合には,滑動現象が出現します。しかし地盤が緩いと,すべり面は地盤内部に発生するため支持力問題となりますので,支持力に対する安全性が確保されていれば,滑動に対する照査は不要と思われます。

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1092 擁壁の盛土が液体の場合の計算法
| 「Excelによる擁壁設計」付属のプログラムを使用して擁壁の設計を行っています。重力式擁壁で,盛土が液体の場合の入力方法を教えてください。 |
回答
盛土単位体積重量には液体の単位体積重量を,内部摩擦角としては非常に小さい値,例えばφ=0.0000001゜,粘着力はc=0と入力すれば計算できます。なお,重力式擁壁以外の計算には適用できないと考えられます。
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1093 二段積み擁壁の土圧計算式
| 「続・擁壁の計算法と計算例(第2版)」の中の「二段積み擁壁の計算例」(P238,8行目)に の式があります。この式で計算すると,P240 表7.3.4のQ0と同じ数値になりません(4.2mとして計算するとQ0は43.0)。大カッコをはずして, として計算すれば,P240 表7.3.4のQ0と一致します。どちらの式が正しいのでしょうか? |
回答
Q0は地表面上の全載荷重です.地表面に到達するすべり面の位置から擁壁までの距離Xにqを掛ければ求められます。したがって,著書の式に間違いはありません。
しかしながら,表7.3.4をチェックしたところW2,Q0,ΣW,Pの欄の数値に間違いがありました。下記の表のように訂正をお願いします。

| 現在、電柱新設の検討をしており,斜面における安定検討の方法をさがしているのですが.貴著「擁壁設計Q&A-105問答」の中の「質問5.8 道路標識の支持力計算法」が適用できるのではないかと思われます。 その中に出てくる 面積Aですが、これは横から見た面積をさすのでしょうか?または、上から見た面積をさすのでしょうか? |
回答
下図のピンクで着色した部分の面積です.台形をした盛土の重量を,等分布荷重q(=γDf)に換算するのが目的です.

斜面上に電柱を建込むのであれば,下記のような方法が適切かも知れません.これは,旧・日本道路公団の「設計要領第5集 第12−10編 遮音壁設計要領」に掲載されています.

| 胴込めコンクリートのほとんどない,コンクリートの塊のようなブロックを積んだ場合でも大型ブロック積みといえるのでしょうか。また胴込めコンクリートの定義を教えてください。 |
回答
まず,ブロック積擁壁として用いる大型ブロックの定義ですが確立されたものはありません。従来の間知ブロックと比べて,@ブロックの面が広い,Aブロックの重量が大きい,B控長が長い,のいずれかに該当するブロックを大型ブロックと呼んでいるようです。ちなみに,道路土工−擁壁工指針では,明確な記述はありませんが,控長が50cm以上のブロックを使用したものを「大型ブロック積擁壁」と呼んでいるようです。
次に,胴込めコンクリートですが,隣接する間知石の胴と胴との間に打設したコンクリートを胴込めコンクリートと呼ぶのだと思われます。間知石の各部の名称は,下図を参照して下さい。間知石のような形状でないブロックの場合には,胴込めコンクリートとは呼ばずに,中詰めコンクリートや間詰コンクリートなどと呼ぶのかも知れません。
設計で混乱を生じている原因は,土木学会四国支部耐震性大型ブロック積み擁壁に関する研究委員会が発刊している「大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアル」にあるように思われます。このマニュアルでは,「大型ブロック積み擁壁とは,控長が50cm以上の中空のプレキャストコンクリートブロックを1:0.3〜1:1.0の勾配で積み重ね,ブロック内部に現場でコンクリートを充填し,各ブロックが一体となって土圧や地震時の慣性力などの荷重に抵抗する構造とした擁壁である」と定義しています.このマニュアルでは,土圧や地震の慣性力に対してブロックが一体になって抵抗することを前提にして設計法を示しているためです。
設計に「大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアル」を適用しないのであれば,このマニュアルの定義に従う必要はありません。胴込めコンクリートが打設されていない空積み擁壁であっても,大型ブロック積擁壁と呼ぶことができます。

悠 建築設計室のHPによる
| 『Q162 土中式ガードレールで背面土質量を確保しなければならない理由』の回答に,『車両の最大進入行程を1.1m以下と規定しています。車両進入行程を考慮すると,支柱を擁壁から1.5m程度離しておかないと,擁壁に影響を及ぼすと考えられます。』という文章が書かれています。この文章によれば,法面にガードレールを設置する場合も法肩から1.5m程度離さなければ車輪が法肩から脱輪してしまうことになりますが、どのようにお考えでしょうか? 車両の最大進入行程を1.1m以下とは「車両の防護柵の設置基準P.15」より、あくまでも防護柵の性能の基準であり設置位置の基準ではないのではないでしょうか? |
回答
誤解を生じる回答になっていました。
土中式ガードレールの車両最大進入行程1.1m以下というのは,支柱を土中に埋め込む「たわみ性防護柵に対する「防護柵の設置基準・同解説」の要求性能のことです。車両用防護柵標準仕様・同解説によれば,土中用ガードレールにおける車両の最大進入行程は,Gr-C-4E2が0.17m,Gr-B-4E2が0.17m,Gr-A-4E2が0.20mであり,支柱中心から盛土肩までの距離は,C種,B種が0.3m以上,A種が0.6m以上あればよいことになっています。
支柱から1.5m離す必要があるというのは,補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアルに書かれているものです。自動車の衝突荷重の影響をテールアルメに与えないためには,ガードレールを壁面から1.5m以上離す必要かあるということを実験で確認しているということです。
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Q1097 支持力公式における基礎の形状係数について
| 支持力公式における支持力係数の考え方についてお教え下さい。 @基礎形状を帯状,正方形,長方形のどれかに分類して形状係数α,βを求める必要がありますが,帯状と長方形の区別はどのように考えればよいてしょうか。 A擁壁の場合,基礎の長さとして伸縮目地間隔か,擁壁全長かいずれを用いるべきでしょうか。 B道路橋示方書と建築基礎構造指針では,形状係数βの値が異なっていますがなぜでしょうか。 |
回答
@について
道路橋示方書式も建築基礎構造設計指針の式も,テルツァギーの支持力式を拡張したものです。テルツァギーの支持力式は,二次元問題として誘導しています。つまり,奥行きは十分に長い基礎(=帯状基礎)を対象としているので,地盤が破壊する際のすべり面の方向として,手前と奥は無視し,左右のみを考慮すればよいとしています。しかし,延長が短い基礎では,手前と奥に発生するすべり面の影響を無視すると,支持力を粘性土地盤では過小に,砂質地盤では過大に評価することになります。実際には帯状基礎は存在しないので,長方形基礎として形状係数を決めれば良いでしょう。
Aについて
両方で計算し,支持力が小さくなる方を採用すべきです。
Bについて
道路橋示方書式と建築基礎構造設計指針の式は下記のように表記されています。
道路橋示方書下部構造編 Qu=Ae{α・κ・c・Nc・Sc+κ・q・Nq・Sq+1/2γ1・β・Be・Nγ・Sγ}
建築基礎構造設計指針 Ru=A {ic・α・c・Nc+iq・γ2・Df・Nq+iγ・β・γ1・B・Nγ}
記号を統一して比較すると,下記のようになります。
道路橋示方書下部構造編 Qu=A {α・c・Nc+q・Nq+1/2γ・β・B・Nγ}
建築基礎構造設計指針 Qu=A {α・c・Nc+q・Nq+γ・β・B・Nγ}
道路橋示方書式は第3項に1/2がありますが,建築基礎構造設計指針にはありません。建築基礎構造設計指針では形状係数βに1/2が反映されています。したがって,βについては道路橋示方書のβの1/2になっています。
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Q1098 石積の基礎コンクリートに伸縮目地は必要か
| 市役所から受注した工事で石積の施工をしています。伸縮目地材を10mに1箇所の割で設置する予定です。石積の設計は,均しコンクリート10p,基礎コンクリート30p,裏込コンクリート15cmになっていますが、基礎コンクリートにも伸縮目地材を設置しなくてはならないでしょうか。 |
回答
基礎コンクリートには,伸縮目地を入れるのが一般的です。
| 下図に示す大型ブロック積み擁壁の基礎杭を下記の考え方で構造計算を行いました。基礎杭は場所打ち杭です。 1) 基礎コンクリートの上面で大型ブロック積擁壁の転倒、滑動に対する照査を行い、安全であるか判断する。 2) 次に基礎コンクリートの上面に作用する鉛直力V、水平力H、モーメントMを基礎コンクリート下面の杭中心位置に置き換える。この際、フ−チングの重量も考慮する。 3) 基礎杭の設計計算を実施する。また、杭と杭の間隔は道示Wによるものとし、基礎コンクリートは杭に支持された梁として応力度計算を行い、鉄筋量を決める。 このような考え方で構造計算をし、フーチングの大きさ、杭の径、本数を決めましたが、考え方が間違っていないかどうか、ご教授ください。 ![]() |
回答
基礎コンクリートも擁壁の一部と見なし,背面に土圧を作用させるべきではないかということが議論になるかも知れませんが,
基礎コンクリートの前面が洗掘等の恐れがなく,受働抵抗を期待できるのであれば,検討されている考え方で問題ないと思います。
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| 貴著「続・擁壁の設計法と計算例」の中で紹介されているU型擁壁の計算例に関して教え下さい。 (1)「続・擁壁の設計法と計算例」の中の「根いれ地盤の破壊の安全率」(p314)では,安全率を受働土圧合力と水平力の比率として算定しています。これに対して,「道路標識設置基準・同解説」では,「水平地盤反力度がその点における受働土圧強度を上まわらなければよい」(p246)としています。両者の違いはどのように解釈すれば良いのでしょうか。 (2)「道路標識設置基準・同解説」の中の計算例では,基礎の安定性をチェックする式としてhθ≦2.4lγ(Kp/KH)が示されています(p251)。この式中の係数「2.4」の根拠は何でしょうか。 |
回答
(1)について
根入れ地盤の破壊に対する安全率Fsの算定方法として下記の2種類の方法があり,拙著では方法@,道路橋示方書のケーソン基礎では方法Aを採用しており,道路標識設置基準・同解説ではケーソン基礎に準拠しています。
方法@ 水平力≦受働土圧/Fs
方法A ある深さの水平地盤反力度≦ある深さの受働土圧強度/Fs
根入れ地盤の検討とは,根入れ地盤の水平方向の破壊に対する検討,つまり水平方向の支持力に対する検討のことです。
滑動,転倒,支持力といった剛体的安定検討は,地盤の極限状態(地盤が完全に塑性化した状態)を想定し,その状態での安全余裕を照査することを目的としています。このため,私は,方法@を採用すべきと考えています。
地盤反力度は,地盤を「弾性ばね」と見なして計算していることから,極限状態ではなく弾性状態もしくは弾塑性状態を想定していることは明白です。したがって,基礎の設計において地盤反力度を使用する場面は,変位に対する検討と部材の応力度に対する検討に限られると考えています。
道路橋示方書では,直接基礎の支持力の検討では極限支持力と合力によって,ケーソン基礎の支持力の検討では極限支持力度と最大地盤反力度によって評価しています。設計思想に統一性が見られないのが気になります。
(2)について
「道路標識設置基準・同解説」p251で紹介されている「安定チェック」は,根入れ地盤の水平方向支持力の照査を目的としたもので,水平方向の地盤反力度の算定には道路橋示方書のケーソン基礎の式を用いていますが,hθ≦2.4lγ(Kp/KH)の式誘導する際にいくつかのミスを犯しているように思われます。
「道路標識設置基準・同解説」では,剛体基礎の側面が水平方向の離散型ばね,底面が鉛直方向の離散型ばねで拘束されているものと見なしています。ケーソン基礎では,底面をせん断ばねで水平方向に拘束していますが,標識基礎ではせん断ばねを無視しています。側面のばねを三角形分布としているのは,弾性解析でありながら,地盤の塑性化を考慮するための便宜的な方法にすぎません。

図−1 標識基礎の解析
地表面からyの深さの水平方向地盤反力度pは下記のようにして求めることができます。
深さyの基礎の水平変位 δ=(h-y)θ (1)
深さyの水平方向の地盤反力係数 k=KH・y/ l (2)
深さyの水平地盤反力度 p=kδ=KH/l・y(h-y) (3)
土の単位体積重量をγ,受働土圧係数をKpとすると,深さyの受働土圧強度は,
pp=γ・Kp・y (4)
必要安全率をFsaとすれば,安定性の判定式は次のように表せます。
p<pp/Fsa(5)
つまり,
KH/l・y(h-θ)<γ・Kp・y1/Fsa (6)
変形すると
(h-y)θ<l・γ(Kp/KH)/Fsa (7)
となります。
ところで,安全率Fsは下記のように表せます。
Fs=l・γ(Kp/KH)/{(h-y)θ} (8)
この式から明らかなように安全率が最小値をとるのはy=0,つまり地表面です(図−1の安全率参照)。
安定性の判定を地表面(y=0)で行うとしたときの条件式は次のようになります。
hθ<l・γ(Kp/KH)/Fsa (9)
異常時における必要安全率をFsa=1.2とすると,
hθ<l・γ(Kp/KH)/1.2 (10)
となり,「道路標識設置基準・同解説」の式とは一致しません。
これは私の勝手な推測ですが,「道路標識設置基準・同解説」の式は,誘導過程において下記の2つのミスを犯しているのではないかと考えられます。
《ミスその1》受働土圧強度に安全率を掛けた
安全率Fsで割るべき所を逆に掛けて,式(7)を式(11)のように誘導してしまった。
(h-y)θ<Fas・l・γ(Kp/KH) (11)
《ミスその2》安全率が最小となる深さ
道路標識設置基準・同解説のp246には,下記のように書かれています。
『基礎の安定は基礎前面地盤の水平地盤反力度がその点における地盤の受働土圧強度を上まわらなければよい。したがって,基礎の最小根入れ長は前面地盤の最大地盤反力度をその点における地盤の受働土圧強度に等しいとおけばよい』
この説明は間違っています。水平地盤反力度pはy=h/2の深さで最大となります。このため, y=h/2の深さで安全率Fsが最小になると勘違いしてしまったものと思われます。
y=h/2とおくと,式(11)は次のようになります。
hθ<2Fsa・l・γ(Kp/KH) (12)
異常時における必要安全率をFsa=1.2とすると,式(12)は次式となり「道路標識設置基準・同解説」の式と一致します。
hθ<2.4l・γ(Kp/KH)(13)
道路標識設置基準・同解説のpp250〜251に紹介されている計算条件で,水平方向の地盤反力度を計算しますと次のようになります。
p251より θ=0.00285rad ,hθ=0.00363m
したがって, h=0.00363/0.00285=1.274m
水平方向の地盤反力度
p=6800/1.8×y×(1.274-y)×0.00285=13.717y-10.767y^2 (tf/m2)
p246より γ=1.7tf/m3 ,KP=3.53
受働土圧強度
pp=γ・Kp・y= 1.7×3.53×y=6.00y (tf/m2)
水平方向の地盤反力度と受働土圧強度をグラフに描くと,図−2のようになります。「道路標識設置基準・同解説」の計算例では「OK」という判定になっていますが,y<0.72mの範囲では水平地盤反力度が受働土圧強度を超えています。
水平地盤反力度が最大となるy=h/2=0.637mの位置では,p=4.37tf/m2,pp=3.82tf./m2となり,この位置でも水平地盤反力度が受働土圧強度を超えているのは明らかです。

図−2
pdfファイル
私も「道路標識設置基準・同解説」に疑問を抱きましたので,日本道路協会にメールで質問をしたところ,国土交通省から下記の回答がありました。
■国土交通省からの回答
質問
「道路標識設置基準・同解説」p251で紹介されている「安定チェック」で紹介されている下記の式に誘導過程は如何か。
hθ≦2.4lγ(Kp/Kh) (1)
回答案
誘導過程は以下の通り。
基礎前面における最大水平地盤反力度がその位置における地盤の受働土圧強度を上回らないことを照査1)。
地盤反力度の深度方向分布はS55版道路橋示方書下部構造編 (以下S55道示と呼ぶ)
p.217より次式のとおり。
p = (y/l)Kh (h-y)q (2)
ここで,Khは水平方向の地盤反力係数であり、S55道示 式(解 6.4.4)より求められる。
Kh = Kh0(BH/30)^(-3/4) (3)=式(解 6.4.4)
ここで,
Kh0: 直径30cmの剛体円盤による平板載荷試験の値に相当する水平方向の地盤反力係数であり,S55道示の式(解 7.5.3)で定められている通り。
Kh0 = 1.2aE0/30 (4) =式(解7.5.3)
左辺に乗じられている1.2は,ケーソンの側面の分担率20%を考慮するためのもの。したがって,側面の分担分を除けば,式(2)は次式のとおり書き換えられる。
P = (y/l)Kh'(h-y)q = (y/l)Kh(h-y)q/1.2Kh' = Kh /1.2 (5)
最大水平地盤反力度はp1はy= h/2にて得られる。
p 1 = (h/2/l)Kh(h-h/2)q/1.2 = {(h^2)/(4 l)}Kh*q/1.2 (6)
y = h/2における受働土圧強度Pp1は、
Pp1 = g*Kp*(h/2) (7)
したがって,式(6)と式(7)より、
{(h^2)/(4 l)}Kh*q/1.2 < g*Kp*(h/2)hq < 2.4 g* l*( Kp / Kh ) (8)
以上
1) 土木研究所資料1035号:ポール基礎の安定計算法, S50.7.
Q1101 耐震設計上の地盤種別の判定を行う場合の地表面の取り方
| 私は先生のお書きになっている「擁壁の設計法と計算例」等の数々の技術書を愛読させており、コンサルタントに従事している者です。ものすごく簡単な質問で恐縮ですが擁壁の地盤種別を考える場合で、判らないことがあり、ご教授していただくメールさせていただきました。 擁壁の地盤種別を考える場合、下図のh1,h2のどちらを層厚を考えるべきなのでしょうか?是非ともご教授の程、宜しくお願いいたします。 ![]() |
回答
道路橋示方書・同解説X耐震設計編(平成14年)のp26図−解4.5.1を見て下さい。ご質問の擁壁の場合には,地表面は下の方と考えるべきです。したがって,層厚はh1となります。
| 土木学会四国支部発行の大型ブロック積擁壁設計施工マニュアルでは,8mを超える高さの擁壁の場合, (1) 地震時土圧の算定において粘着力を考慮してよいとなっているが、道路土工擁壁工指針等においては粘着力を考慮していません。粘着力を考慮すると他の指針等と整合しなくなるのではないでしょうか? (2) 四国支部の支部においても、粘着力を考慮することは妥当と判断されているのでしょうか? (3) 擁壁形式の比較検討をおこなう際に、大型ブロックで粘着力を考慮すると,他の形式の擁壁(もたれ等)においても考慮しないと、設計条件が異なることになりますが、異なっても問題ないですか? |
回答
(1)について
道路土工擁壁工指針に,土圧算定において粘着力を考慮できないという記述はありません。
土工指針では,土質定数は,土質試験によって求めることを原則とすることとし,粘着力を考慮する場合には,施工中の乱れの影響などを考慮し,過大評価にならないよう注意する必要があると記述しています(p18)。
また,地震時土圧の算定式として,粘着力を考慮した土圧計算法が示されています(図2-9)。
(2)について
粘着力が期待できる盛土であれば,どこでも粘着力を考慮してよいと思います。
(3)について
地震時土圧の算定に粘着力を考慮するというのは,大型ブロック積み擁壁に限定しているのではありません。
粘着力を0として地震時土圧を算定するのであれば,道路橋示方書耐震設計編に示されている修正物部・岡部法のように内部摩擦角のピーク強度(礫質土φ=50゜,砂質土φ=45゜)を考慮した土圧算定法を適用すべきと思います。
|
貴著「新・擁壁の設計法と計算例」p270を見ると,L型擁壁の極限支持力度qdを式(1)で算定されています。一方, 平成13年の国土交通省告示第1113号では,荷重の傾斜角θを考慮した式(2)で許容支持力度を算定することになっています。 |
回答
式(1)は下図のようなすべり面を想定した支持力式ですが,その支持力係数Nc,Nqは,荷重の傾斜角θ=0,地盤の単位体積重量γ1=0としたときの理論解です。Nγは,c=0,q=γ2Df=0のときの近似解です。
式(2)では,基礎の形状係数α,β,荷重の傾斜角によるNc,Nq,Nγに対する補正係数ic,iq,iγが考慮されており,式(1)よりは合理化されています。
道路橋示方書に示されている支持力式はさらに合理化したために,より複雑な式となっています。
支持力算定に使うc,φを適切に求めることができるのであれば,式(1)より式(2)が,式(2)より道路橋示方書の式がよいことになります。しかし,現実には適切なc,φを決めることができないため,一概に式(1)による支持力の推定精度が悪いとは言えません。

図−1 支持力算定における荷重とすべり面
例えば,p270の計算例の場合,支持地盤のN値は15です。擁壁の最大地盤反力度の鉛直成分qmaxは133kN/m2です。
経験的には,許容支持力度はqa=10N=10×15=150kN/m2です。したがって,qa>qmとなり安全と判断できます。
次に,N値から経験式 φ=15+√(15N)でφを推定すると,φ=32゜となります。
φ=32゜,c=0,Df=0,B=1.8m,γ1=18kN/m2として,式(1)で極限支持力度を算定すると,qd=489kN/m2,許容支持力度はqa=489/3=163kN/m2となり,経験式とほぼ一致します。
次は,式(2)で許容支持力度を算定すると,
θ=atan(32.52/128.15)=14゜,ic=iq=0.71,ir=0.32,Nc=35.5,Nq=23.18,Nr=30.2,α=1.0,β=0.5,Df=0,γ1=18kN/m3,B=1.8mなので,
qa=1/3(0+0.32×0.5×18×1.8×30.2+0)=52.2kN/m2<qm=133kN/m2 (NG)
となります。
同じ条件で,道路橋示方書式を用いて許容支持力を算定すると,Qa=63kN/m<V=128.15kN/m (NG)
となります。
4つの方法を示しましたが,どれが最も正解に近いかというと,私は経験的に判断して最初に示したqa=10N=150kN/m2だと思います。荷重の傾斜角を考慮した式(2)あるいは道路橋示方書式で支持力を推定するのであれば,別の方法でc,φを求める必要があります。
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Q 1104 大型ブロック積み擁壁は地山全体の安定性に寄与するか
| 大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアルの総則1.3適用範囲および,これに対する質問Q.4の関連で,地すべりや斜面崩壊がある場合および想定される場合に,大型ブロック積み擁壁の外的・内的安定性確保を前提にして,地山全体の安定計算上,安定側に寄与するものとして使用しても問題ないと考えるが,いかがでしょうか。たとえば円弧すべりの安定計算において,法尻に大型ブロック積み擁壁をつくり,押さえに考慮する。 |
回答
大型ブロック積み擁壁に限らず,山留め擁壁を施工する際には地山の切土を伴います。その際に,地すべりや斜面崩壊を生じるケースが多々あります。施工時,施工後共に地山のすべりに対する安全性が確保されるのであれば,大型ブロック積み擁壁を採用しても問題ありませんが,大型ブロック積み擁壁が安全側に寄与すると決めつけるのは問題です。
| 「続・擁壁の設計法と計算例」の7.11矢板基礎ブロック張り護岸工の計算例(p.312)について教えて下さい。 p.314,7.11.3 (2)で合力の偏心量が負で出ているため,(3)でモーメントが負で出ています.モーメントが負で出ているため,7.11.5(1)の換算作用高がマイナスで算出されていますが,チャンの式で考えた場合に,換算作用高が仮想地盤(ここでは基礎コンクリートの下端)より下に出てくることはあるのでしょうか? モーメントの話なので、ここで符号はあまり関係しないように思うのですが,以後の計算でも換算作用高がマイナスのまま計算されています.私の頭の中でも整理ができていない状況で申し訳ないのですが、わかりやすい図解のようなものがあるようでしたら助かります.右城先生の本を参考に矢板基礎の設計をしておりまして,発注者からの問い合わせがあり困っています。 |
回答
矢板頭部の曲げモーメントが水平力Hの作用だけで発生する場合には,ご指摘のように換算作用高hoが負になることはありません。しかし,水平力による曲げモーメントよりも鉛直力による逆向きの曲げモーメントが大きくなると,矢板頭部に作用する曲げモーメントは設計例のように負になります。
換算作用高が負の場合には,矢板の水平変位,曲げモーメントは図−1のようになります。これに対して正の場合は,図−2のようになります。

図−1 換算作用高が負の場合

図−2 換算作用高が正の場合
Q1106 大型ブロック積み擁壁を地すべりの抑止工として適用できるか
| 「大型ブロック積み擁壁設計・施工マニュアル」の総則において,大型ブロック積み擁壁の適用範囲の中に1つに「地すべりなどの恐れがなく、地山の安定した箇所」に適用すると記述されております。一方、Q&Aコーナーには大型ブロック積み擁壁は地すべりや斜面崩壊がある場合においても、外的安定性(転倒,滑動,支持力),内的安定性(曲げ応力,せん断応力) が確保されれば、大型ブロック積み擁壁を使用しても問題はないと記述されております。 1)大型ブロック擁壁はあくまで背面の土が自立し、それに支持されて安定する構造であると考えますが、土単独では自立できずにすべりが生じてしまう法面において大型ブロック擁壁をそのすべりに対する抑止力として見込んで適用することは可能なのでしょうか?それとも背面の土が自立していることが適用の前提であり、背面の土が自立していないのであれば大型ブロック擁壁は適用できないのでしょうか? 2)1)の質問において、大型ブロック積み擁壁を背面の土が自立しない法面の抑止力として適用することが可能な場合は、土圧といった外荷重を例えばブロック同士の突起や噛み合せで抵抗するように安定計算上、検討する必要があると考えます。具体的な手法等がございましたらご指導いただきたく思います。 |
回答
地すべりがある場合,それを擁壁で抑止するというのは,地すべりの規模が非常に小さい場合であり,一般的には抑止杭やアンカー,あるいは排水ボーリングなどで対策するのが一般的だと思います。総則では,原則論を述べています。
アンカー等を使用して,地すべりの安定性が確保されている場合や,地すべりの規模が非常に小さい場合などでは,擁壁で安定させられることも考えられます。つまり,擁壁を抑止工として利用することも考えられます。このことをQ&Aで述べています。
背面の土が自立できても,自立できなくても,大型ブロック積み擁壁には土圧が作用します。
背面の土が自立している場合には,大型ブロック積み擁壁が背後の地山にもたれかかるため,力の釣り合い条件を満たすような地盤反力が発生します。この地盤反力を壁面土圧と呼ぶことができます。
背面の地山が自立できない場合には,すべり土塊が擁壁を押します。この力は主働土圧と考えることができます。主働土圧が作用するとしても,なお自重による後方回りのモーメントが大きくて,擁壁に作用する荷重の合力が底面中心よりも後方に位置する場合には,壁面には主働土圧の他に地盤反力も作用します。主働土圧によるモーメントが自重によるモーメントよりも大きくて,合力の作用位置が擁壁底面中心よりも前方となる場合には,擁壁には主働土圧が作用すると考えることができます。
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| 建築工事に携わっている業者の者ですが,インターネットでたまたまヒットした右城様の研修資料を参考にさせていただいています。 土留め工の設計について大変分かりやすく記載されていて活用させていただいています。その中で,[計算例2.1]についてですが,研修資料に記載されている数式通りに計算しましたが,計算結果に相違が生じてしまい,恐縮ですがご教授いただけましたら幸いと考えています。 計算結果は下記の通りです。よろしくお願いいたします。 ![]() |
回答
貴殿の計算に間違いはありません。
私の計算例が間違っていました。計算例では,バネ定数の条件をk=1,000kN/m3としているにも関わらず,k=6727.872kN/m3で計算した結果を示していました。k=1,000kN/m3として計算すれば,貴殿の計算結果と完全に一致します。

| Q&Aにもありましたが、L型擁壁を縦断勾配が急な現場に設置する場合、階段施工とするとなっています。その場合,たて壁の高さを勾配にあわせて製造する製品もありますが,現場で嵩コンにより天端部分を構築するということは可能でしょうか。その場合,嵩コン部分は現場打ち擁壁とみて擁壁工指針に準拠した規格(たて壁の最小厚は30cm)にしなければならないでしょうか。 |
回答
嵩コンとは,天端調整コンクリートのことと思います。国土交通省四国地方整備局の「プレキャストL型擁壁設計施工マニュアル(案) 改訂版(平成13年2月)のp17〜p18に天端調整コンクリートの施工法が具体的に示されています。これを参考にされると良いでしょう。これによると,最小厚さは6cmとなっています。
このマニュアルは,四国技術事務所のウエブサイト からダウンロードできます。
| 示力線がブロック積擁壁の前面より出なければ安定しているという尋木様の考えがあることを右城様の図書で知りました。内容について確認したいのですが,図書をいろいろと照会しても入手が困難でして、非常に困り果てております。
示力線が躯体前面より出なければ”安定している”という考えが、土圧の考え方、安全率の考え方を踏まえ、どういう内容になっているのか知りたいと思っております。 お手数ですが、ご教授、資料の提供等、勝手ですが、ご協力頂けませんでしょうか。 |
回答
示力線法にはついては,拙著「擁壁設計Q&A」-105問答−(理工図書),p220-221に解説しています。p221には参考文献も記しています。尋木広義著「間知ブロック擁壁」 (1961年)
(理工図書)は,絶版になっています。
尋木氏の著書では,示力線のことを圧力線と呼び,下記のように説明されています。
「K点は,圧力線が石垣面を切って外方へ脱出する限界点であって,ここから上部が正に転倒せんとする危険にあることはすでに述べた。K点の頂面からの垂直高を擁壁の限界高と名づける。擁壁の安全を期するためには,その高さを限界高以下に制限する必要がある」
尋木氏の限界高さで転倒の安定性を評価すると,安全余裕が全く見込まれていないので注意が必要です。
示力線法を最初に提案したのは,岡積満氏(1950)と思われます。彼は,転倒に対する安定条件として「クーロンの主働土圧を2倍して求められる示力線が擁壁断面の中心より後方に位置していること」としています。
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| 道路橋示方書W下部構造編のP255に記載してある事項に関連したことですが,下記の5つについて教えて下さい。 @ Kvo = 1/0.3 ×α× Eo における 0.3とは 平板載荷試験における剛体円盤サイズと連動しているのでしょうか? A そもそも上記式は Kvo推定式であり、本来はある着目変位時の弾性係数を使用するということなのでしょうか? B 平板載荷試験における「ある着目変位時の弾性係数」を算出した場合、その値をKvoとするのでしょうかそれともCの値を用いるのでしょうか? C 平板載荷試験の繰り返し曲線から求めた変形係数の 1/2 を Eo とするのも よく分かりません。 D そもそも Eo とは初期変形係数と言う意味なのでしょうか? |
回答
@について
kvoとは,道路橋示方書にも書かれているように,「直径0.3mの剛体円板による平版載荷試験の値に相当する鉛直地盤反力係数」です。ご質問の@の式は,kvoを求めるための経験式です。この式の0.3は実験定数と見なすべきで,剛体円板のサイズが0.3mでない場合の地盤反力係数kvは,次式で推定することになっています。道路橋示方書に示されているこの式は,吉中竜之進氏が土木研究所時代に,直径30〜120cmの円形載荷板を用いた実験を行って提案されたものです。
kv=kvo(Bv/0.3)^(-3/4)
ちなみに,地盤を完全弾性体と仮定した場合の剛体基礎の地盤反力係数は,ブーシネスクの式から導くことができ,次式のように表されます。
kv=Eo/{(1-μ^2)IpBv}
ここに,Eoは地盤の変形係数,μはポアソン比,Ipは形状係数で円形は0.79,正方形は0.88,Bvは基礎の載荷幅
A,Bについて
地盤の荷重−沈下曲線は沈下の増加と共に変化します。つまり,ひずみ依存性を持ちます。しかしながら,平板載荷試験をおこなった場合,載荷幅の0.5〜5%程度のひずみの範囲は,荷重−変位曲線がほぼ直線状態になり,地盤反力係数を一定と見なすことができるといわれています。したがって,通常の許容沈下量の範囲であれば,地盤反力係数の算定に地盤のひずみ依存性を考慮しなくてもよいことになっています。
Cについて
平板載荷試験では,掘削時の地盤の乱れの影響等が少ないデータを得るため,繰り返し載荷を行い,そのときの荷重−変位曲線から地盤変形係数を求めることになっています。ところで,平板載荷試験の荷重−変位曲線の処女荷重による地盤変形係数は,繰り返し荷重による地盤変形係数のおよそ1/2に相当します。
道路橋示方書では,常時荷重(=静的荷重)に対する地盤反力係数としては処女荷重に対する地盤反力係数を,地震時荷重に対しては繰り返し荷重に対する地盤反力係数を使用することにしているためです。
Dについて
Eoは処女荷重における,ひずみの小さい領域での変形係数です。
| Q1110の回答で,「平板載荷試験では,・・・・繰り返し載荷を行い・・・・・」とは,多サイクル方式の平板載荷試験を意味しているのでしょうか。私の身の回りでは,1サイクル方式が一般的なのでここで言われている「繰り返し曲線から求めた・・・」には該当しませんですね。 |
回答
道路橋示方書下部構造編p255 表-解9.5.1では,変形係数の求め方として,平板載荷試験においては「繰り返し曲線から求めた変形係数の1/2」と明記されています。平板載荷試験は多サイクル方式で行うことを前提として記述しています。
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ブロック塀の背後に盛土をしたところ図−1に示すように傾きました。ブロック塀の天端での変位は7cmでした。ブロック塀には鉄筋が入っています。このように傾いた原因についてお教え下さい。
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回答
ブロック塀が傾斜した原因としては,基礎コンクリートへの補強鉄筋の定着長が不十分であったために,盛土による土圧で抜け出したものと考えられます。⇒詳細はこちら