Q10 置き換えコンクリート基礎について

 建設コンサルタントに勤めているものですが、「続・擁壁の設計法と計算例」p131置き換え基礎に関しておたずねします。
 下から3行目〜多段の段切り基礎は、フ−チングと基礎が分離していないから通常の置き換え基礎の計算方法が適用できないと書かれています。
@ 多段段切り基礎とは、段差フ−チングのような基礎(台座コンクリ−ト)のこととして解釈してよろしいでしょうか。P132の図4.12(a)では基礎の段切位置に点線が描かれていますが、それは何を表しているのでしょうか。
A 多段段切り基礎は、すべて通常の置き換え基礎の計算が適用できないのでしょうか。差し筋を配置するから適用できないのでしょうか。
B 通常の置き換え基礎の計算方法が適用できない場合、計算はどうやってやっているのでしょうか。

回答
@について
 日本道路公団では,基礎コンクリートと躯体を一体化されていないものを置き換え基礎,一体化されたものを段差フーチング(拙著図4.10)と定義されています.拙著の図4.12(a)に示した構造は,「多段に段切された置き換え基礎」です.
 日本道路公団の設計要領あるいは日本道路協会の擁壁工指針には,図4.12(b)の置き換え基礎の地盤反力算定法が示されています.この方法を,図4.12(a)のように多段の段切基礎に適用されているケースをよく見かけます.擁壁工指針の方法を多段の段切基礎に適用するということは,図4.12(a)に示す破線位置で基礎が分離している必要があります.この意味で,破線を描いています.

Aについて
 擁壁工指針では,図1の方法で地盤反力を計算するものとしています.このような方法で地盤反力度を算定するためには,拙著図4.12(b)のような変位モードを容認する必要があります.道路土工指針の方法を多段の段切り置き換え基礎に準用すれば,地盤反力は図2(a)となります.
 鉛直地盤反力度qは,鉛直変位をδ,地盤反力係数をkとすれば,q=kδの関係があります.このため,図2(a)の地盤反力度が発生するためには基礎が図2(b)のように変位する必要がありますが,物理的にこのような変位は生じないといえます.したがって,差筋の有無に関わらず多段の段切置き換え基礎に擁壁工指針の計算法は適用できないといえます.
B について
 段切りされた置き換え基礎の変位は図3(a)のようになると考えられます.そうしますと,地盤反力は図3(b)となります.図3(b)の地盤反力は,ケーソン基礎のように地盤係数法(変位法)によって計算することができます.計算方法については拙著のp126〜129に,設計計算例はp214〜232に記載しています.
 計算用ソフトが必要であれば,理工図書から出版されている拙著「Excelによる擁壁設計」にCD-ROMが付けてあり,段切基礎のプログラム(体験版)も収録していますのでご利用下さい.

図1 擁壁工指針の計算法

図2多段の段きり置き換え基礎を擁壁工指針の方法で算定した地盤反力

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